【ブログで解説】自宅でも療育でも「できる」「使える」絵カードコミュニケーションの始め方
どーも! 児童指導員8年生のすけりょーです٩( ᐛ )و
私には3歳半を超えた息子がいます。
発語はありません。
長期の入院生活をしているため未だに3歳児健診にも行けてません。
基本的には宇宙語を操り、何者かと交信しています。笑

自分の名前を理解したのも、つい最近です^o^
指差しをして視点の共有ができるようになったのも、本当につい最近です٩( ᐛ )و
発話のない子どもとコミュニケーション取るのって難しいですよね。
意思がうまく伝えられなくて他害や癇癪なんて日常茶飯事( ̄▽ ̄)
一応ジェスチャーで【拍手=ちょうだい】【腰を下げる=おねがいします】を獲得してるくらいです。
どんなお子さんにおすすめ?
上述しましたが、主に我が子のように言葉で意思を伝えることが難しいお子さんに使うことが多いです。
言葉で表現が難しい場合が多いので他害や自傷・癇癪が日常的にあるお子さんもいます。
ひとくくりに言葉で意思を伝えることが難しいお子さんとしてもレベル感は本当に十人十色です。
過去に私が関わってきたお子さんで絵カードコミュニケーションを使っていたのは、
こちらが言ってること(数字・名詞・動詞・比較概念等)をほとんど年相応に理解しているが、言葉だけ出てこないお子さん
「手を洗おう」「座ろう」のように簡単な指示を聞いて行動することができるが、名詞は一切わからないお子さん
常に宇宙の誰かと交信をし続けているようなお子さん
つまり、こういうお子さんです!とピタリと言い当てることは非常に困難なのです。
誰にでも伝わる共通言語がまだ未獲得の場合は練習する価値がありそうです。
ツール紹介 〜作り方〜
我が子で使っているのはこのような形にしました。
絵カードの裏面と水色の台紙にはそれぞれマジックテープがついています。

こんな感じです。
子どもが頻度高く触るカード側がホワホワになるようにしてます!
さらに角っこも怪我をしないように丸くカットしてます!
ひらがなが全然読めなくても名詞カードにひらがなを書いた理由は、コミュニケーター(親)が同じ言葉を使ってカードと実物を交換できるようにするためと好きな食べ物を通してひらがなに興味を持てたらいいなという淡い期待を込めました( ´∀`)
絵カードの選択肢は子どもが必ず要求するものから優先的に作成しています(^^)
親の立場からしたらトイレとかお風呂とかのカードを率先して作って使ってもらいたい気持ちはわかります。
が、
なぜ子どもが要求するものから作らなければいけないんです!
理由は後ほど説明します。
実践方法
練習にはフェーズと言われる段階があります。
絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)® | Pyramid Educational Consultants of Japanより
フェーズ1 <コミュニケーションの仕方>
対象者(子ども)は本当に欲しいものや活動を獲得するために1枚のカードを交換するように学ぶ
▶︎要はお金みたいなイメージでカードを渡したら実物と交換できた経験を重ねて理解を深めていきます。
本当に欲しいものでないとカードを渡す価値が生まれないので、どんな状況であれ欲しいものをカードと交換する練習をします。
ちょっと欲しいくらいのものだと1回でいいやって感じになりますよね。
例えば烏龍茶を一口飲みたいと思うことはあるけど、何度も何度も要求してまで飲みたいかと言われたら・・・って思いますね。笑
フェーズ2 <距離と持続性>
1枚の絵カードを引き続き使い、違う場所で様々な人へ般化をさせます。さらに持続性を定着させます。
▶︎我が家でも導入期間は父親の私しか実施しておりません。妻には概要を伝えていますが、まだやらないでねと言っています( ̄▽ ̄)
さらにこのフェーズではいろんな意地悪をします。笑
手を握ったままにしていたり、ポケットの中に手をつっこんだり何回か気づかないフリをします。それでも渡したい気持ちを持続し本当に欲しいものを手に入れる経験を重ねます。
フェーズ3 <絵カードの弁別>
自分の欲しいものを要求するために2枚以上ある選択肢の中から正しいものを選んで渡します。
▶︎これまで多くのお子さんと実践してきましたが、最初は本当に欲しいものと絶対に要求しないであろうものの2枚(例:チョコカードとえんぴつカード等)を選択肢として提示してカードの弁別練習をしました。
間違って興味のないカードをコミュニケーターに渡してきた場合は渡してきたカードに記載されているものを渡します。(例:本来チョコが欲しいけど、えんぴつカードを渡してきたらえんぴつの実物を渡す)
こうすることでカードの見分けをすることができるようになってきます。
フェーズ4 <文構成>
対象者は簡単な文の構成を文カードと呼ばれる取り外し可能なボードの上に並べることを獲得します。文カードの上には要求したい絵カードと右隣に【ください】【ちょうだい】のような絵カードが並びます。
▶︎これで【名詞+要求語】になります。ファイルの複数ある選択肢の中から自分が欲しいものと要求語を取り出し文カードにつけてコミュニケーター(親)に渡すのがこの段階で練習をするところです。
まだまだフェーズは続きますが、私の関わってきたお子さんたちはこの辺りで意味のある言葉を発し始めていました。
我が子もお話ができるようになることを夢見てちょこちょこと練習に励みます٩( ᐛ )و
Q&A
絵カードコミュニケーションを始めたらしゃべらなくなるんじゃないの?
▶︎研究では発語を阻害するのではなく、発達を促進すると言われています。
自分の子が絵カードコミュニケーションに該当するのか該当する場合はどんな基準があるの?
▶︎参考になる資料を添付しています。
https://pecs-japan.com/download/Level%201%20PECS%20Flow%20Chart%20in%20Japanese%202018.pdf
イラストと実物が同じものと認識をしていないが、絵カードコミュニケーションを始めても大丈夫?
▶︎コミュニケーションの持続の仕方を最優先で学んでいくためやり始めている段階でイラストや文字をマッチングできていなくても大丈夫です。
以上。児童指導員8年生のすけりょーでした٩( ᐛ )و